「症状が出る前に受診してもしょうがない」とお考えにならないでください。抗アレルギー薬を無症状の事前に投与することによりかゆみ等の症状が30%も軽減されるという報告があります。(下図)抗アレルギー薬の事前投与によりヒスタミンというかゆみ等の症状を引き起こす原因となる物質を出す肥満細胞が沈静化され、いざ花粉が飛び込んできてもヒスタミン等の遊離物質があまり産生されず症状が出にくくなります。これを膜安定化作用といいます。この原理を利用して当クリニックでは1ヶ月前より抗アレルギー薬の点眼及び内服を実施しております。転ばぬ先の杖ならぬ、転ばぬ先の抗アレルギー薬です。
●現実的には対処療法
杉花粉の飛散はせいぜいゴールデンウイークまでなのでとりあえず症状を押さえる、つまり花粉に対するアレルギー反応を軽減させる、抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬、ステロイド剤がありそれぞれ点眼薬(目薬)、点鼻薬(鼻をシュっシュする薬)内服薬があります。それぞれ組み合わせて各人に対して処方します。
●治療のプロトコール
●使用される薬剤の一般的副作用
○抗アレルギー点眼薬:しみる、軽度角膜障害等ありますが大した副作用はありません。
○抗ヒスタミン点眼薬:しみる
○ステロイド点眼薬:眼圧上昇、白内障誘因など長期に投与すると副作用あり眼圧チェックはこまめに
○抗アレルギー内服薬:眠気 運転する人は要注意
○抗ヒスタミン内服薬:眠気 運転する人は要注意
○ステロイド内服薬:糖尿病になりやすくなる、ばい菌に感染しやすい